クルクルランド

ファミリーコンピュータ/1984/任天堂

画面固定トップビューアクションゲーム。主人公グルッピーが不思議な『クルクルランド』で金塊を探し出す物語。

クルクルランドと言えば『独特な操作性』。グルッピーはプレイヤーの操作に関係なく直進し続けます。止まることはありません。足をバタバタしている様に見えるので自らの意思で直進し続けている様に見えます。方向を変えるにはターンポストという棒に手を伸ばしつかまることでくるっと角度を変えます。当時『なんだこりゃ』と一瞬戸惑った記憶はあるのですが、直ぐにコツをつかみ『楽しい』に変わりました。ステージの端に行っても落ちたりダメージが入ることが無いのでそこまでシビアにならなくても良いことが分かったからです。またグルッピーは衝撃派で敵をスタンさせて壁に押し付けることで倒す攻撃手段を持っています。この要素があることで『うまく制御できずに敵と対峙したら死んじゃう→むしろやっつけに行こう』と思うことができます。良いバランスです。

次に優秀なのは『金塊が図柄になっている』こと。このゲームはパックマンなどのドットイートゲームに近いのですが、有→無(食べる/取得する)ではなく無→有(出現させる)ことにしています。大概『お宝を手に入れる』という設定だとプレイヤーの前にお宝を見せ、それをモチベーションにして行動させて、その対価としてそのお宝を取得させます。このゲームはその逆。その結果『想像して探る』という気持ちが芽生え、あたかも土の中にあるお宝を『ここにあるだろう!』と見つけ出す気持ちを味わわせてくれます。金塊を出現させた時の金塊の回転アニメとSEもその達成感を増幅させています。移動を自動にしていることとも相性が凄く良いと思います。

パッケージのイラストがいい。ゲームの演出で『初見刷り込み』という手法が良く使われます(これ自分が適当につけた名前です、本当はちゃんとした言い方があるかと思います)。これは何かというと最初に『これはこういうものです』とプレイヤーに印象づけることができると、その後もずっとそのイメージで見てくれる…ということです。例えばゲーム開始時に『ワールドマップ』をパノラマ的1枚画でジャジャーン!と見せたとします。その1枚を印象的に見せることに成功すると全体像が見えないゲームフィールドに移動してしまっても、プレイヤーは『自分はあの壮大な世界にいるんだ』…という気持ちを持ってその世界を楽しんでくれます。

そしてファミコンの時代、グラフィックス性能がまだまだだったので、パッケージのイラストや宣伝(チラシ、雑誌やTVの広告)がその『初見刷り込み』を行うのに重要な要素だったと思っています。その点でクルクルランドのパッケージも実に優秀。ゲーム画面は画面固定のトップビュウ(パースも無い)、黒一色の地色にターンポストが規則的に並ぶ画面は幾何学的でぱっと見地味に見えます。ただゲームを遊ぶ前にプレイヤーはパッケージイラストを必ず見ているので、丸っこい主人公が ターンポスト を片手てつかみ、軽快に回転しながら金塊を探す立体的なイメージが刷り込まれ、そのイメージを持って楽しくゲームを遊ぶことができます。

ゲームの中に出てくるグルッピーが眉太でなんかパッケのイラストと違うとか、金塊がゼルダの伝説のルピーに似ているとか、BGMが相変わらずクオリティ高いとか、楽しい要素はまだまだあるのですが長くなるのでこの辺で。独創的なゲームデザイン、豊かな演出、魅力的なパッケージイラスト。良いプロダクトだと思います。『クルクルランド』プレイしてみてはいかがでしょう?

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